バッハ:無伴奏パルティータ第2番ニ短調 BWV1004「シャコンヌ」

シャコンヌは、高音は様々に変化していく中、低音のバスの部分は常に同じ旋律を反復する曲だといわれています。その難しさは「技巧」をひけらかすための難しさでは無く、バッハがヴァイオリン一挺で描き尽くそうとした世界を構築するために必要とした「技巧」に由来しています。ほかの音楽家の作品の場合指がよく回るヴァイオリニストならば演奏できますが、バッハの場合、それ以上にバイオリンの技巧を駆使して描ききろうとした彼独自の世界を理解する「知性」が必要だといわれています。
この曲は、聞き手にはこの低声部の主題がそれとは明確に意識できない代物であっても、演奏する側はそのことを明確に意識して演奏する必要があります。つまり楽譜に書かれたスコアをただ演奏するのではなく、バッハの音楽性をより深く理解しその思いを一つ一つの音に表現する感性と正確さが要求されるわけです。
今回のコンサートでは、真に人の心の琴線に触れる演奏できる「演奏家」堀米さんとエル=バジャさんの幼い頃からひたすら演奏テクニックを鍛え上げてきた高度なコラボを楽しみたいと思います
                                                        (MacK)

2009.8.16